サラダバーで結納

本当によくあるブログ。作品の感想や思ったことを書いているブログ。

「不幸論」

タイトルを見た時に「中島義道が書きそうだな~」と思ったら案の定中島義道が著者だった。

中島義道は 人生を「半分」降りる、働くことがイヤな人のための本 などポジティブという言葉をどこかに置いてきたタイトルの本を大量に書いている人物だ。

 

この本を一言でいえば「幸福なんかない」ということを徹底的に主張している本である。

中島義道がいう幸福には4つの柱があり

  1. 自分の特定の欲望がかなえられていること。
  2. その欲望が自分の一般的信念にかられていること。
  3. その欲望が世間から承認されていること。
  4. その欲望の実現に関して、他人を不幸に陥れない(傷つけない、苦しめない)こと。

この4つを満たさなければ幸福とは言えないと主張しているのだ。

そして、そんなことはできっこないので結局幸福などありえないと言いたいのだ。

 

そして何よりも中島義道は、幸福のふりをして不幸をみないようにしたくないと、言うのである。

中島義道はとにかく不幸から逃げようとしないのだ。

世にはびこる幸福観にケチをつけているだけのような印象を受けもするが、不幸がはびこっていることを主張しつづける。

中島義道はペシミズムなのかと思ったが本人は違うと主張する。

ただ視野を広げて虚心坦懐にこの世界を眺めてみれば、それは壮絶な不幸が迫ってくるというだけのことである。

無理やり悲観的にみているわけではなく、世界を観察してみたら不幸ばっかりだっただけとのこと。

 

数ある幸福論を批判し、幸福から生じる害悪を論考した後、第五章の最初の文章で幸福がないことをたった一行で表した。

私は自分が死ぬかぎり、いかなるかたちでも幸福はないと思っている。

生まれてきても結局死ぬというシステム自体が不幸そのものなのだ、と。

死んでしまうから幸福などないということは、生きている限り幸福などないということになる。

それを言われちゃったらもう不幸しかない。

 

 

不幸論 (PHP新書)

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