サラダバーで結納

本当によくあるブログ。作品の感想や思ったことを書いているブログ。

「脳科学の真実」

脳を鍛えるDSトレーニングというのが、今から10年ほど前に流行った。

単純な計算と声に出して色を言うといったトレーニングを毎日行うことで脳年齢が若返るという趣旨のゲームだった。

「脳を鍛える」という謳い文句が言っているのは要するに、前頭葉を鍛えるということであった。

とにかく前頭葉を活性化させるのがすべてのような言い方繰り広げられた脳ブームだった。

 

この本はそんな脳ブームやゲーム脳などを脳研究者の立場から批判している本なのです。

脳科学の真実--脳研究者は何を考えているか (河出ブックス)

脳科学の真実--脳研究者は何を考えているか (河出ブックス)

 

 脳トレゲーム脳も共通しているのは前頭葉の働きで、とにかく前頭葉が活性化すれば善、していなければ悪。脳にまつわる話題はこんなものばかりだ。

そんな脳トレゲーム脳を持ちだして脳科学を批判する人々がいることに著者は

脳トレ」や「ゲーム脳」を持ちだして、脳科学は信用できないと批判されても、脳研究に従事している人間にとっては、そもそもこれは脳科学ではないのだから言いがかりにしか感じられないわけです。

 と主張する。

ちまたで持て囃されている「脳科学」というものは、研究者からみれば脳科学でもなんでもないのだ。

 

 

だが、第5章「研究者のダークサイド」では、この脳ブームに脳研究者も乗っかっていると主張する。

脳のメカニズムを明らかにする基礎研究では直接、あるいは短期間に役に立つようになる、というケースは多くはありません。

自分の研究に対して多少無理をしてもでも一般の人の役にもすぐに理解できるような意味づけを行おうとすることが、ダークサイドへの第一歩となってしまうのです。

よく「その研究がなんの役にたつの?」という言葉をいう人がいますが、そういう人に迎合することを選ぶと、脳研究者もそっちへ流れてしまうということだろう。

 

 

どうやら一般人は脳の話題に食いつくけど基礎的なことにはあまり興味がなく、役に立つかどうかで判断していて、研究者もわかりやすく伝えようとすると、どうしても雑にならざるを得ないみたいだ。

 

最後に個人的に好きなところを引用して終わります。

脳科学風な生活の知恵や人生指南は研究成果の情報発信ではなく、脳にことよせた一つの文学にすぎないのではないでしょうか。

このような脳科学風の「語り」をする人たちのことを「脳文化人」と呼びます。

まぁ要するに「茂木健一郎」のことだよね。

 

 

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)

 

 

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