サラダバーで結納

本当によくあるブログ。作品の感想や思ったことを書いているブログ。

「心をうごかす 音の心理学」 著者がクラシック好きなのはもういいよ。

何年か前に買って読んで「なんだこのクラシック推しは?」と思った本です。

 

内容は、音楽聴くと大脳辺縁系という情動を司る部位が活性化する。だから、音楽聴くと感情が動く。

科学的に調べてみたら、快感ホルモンでて、ストレスホルモンが低下する。

そういう音楽と脳の反応の話から始まるわけですが、途中からとにかくクラシックの話になっていきます。

目次の一部をあげると

  • クラシックを聴いている人は頭が良い?
  • クラシックは思考力が身につく
  • クラシックが長く愛される理由
  • 子どもにこそクラシックがおすすめ

別に、科学的に調べた結果クラシックにそういう効果があると言うならいいんですが、そうじゃないから困るんです。

思考力や論理性が優れている人はクラシックを聴いている→根拠は私的な経験則 とか、

クラシックにはルールがありソナタ形式などで作られていて、論理的な構造力があるから聴くと思考力が身につく とか

楽譜主義で作曲者の意図を読み取りながら聞くから日々の生活に「気付き」を与えてくれる とか、

クラシックは構造がしっかりしているから物事の構造を気にするようになって話し方が論理的になる とか、

クラシックが愛される理由は聴くたびに発見があるから とか。

 

著者がクラシック好きだったから思考力が身につき、その結果こういった脳とか心理学とかの実験を紹介するでもなく、私的な思い込みをだらだらと垂れ流したりするようになったのだろうか。

というか、こういう話があるから全体の信憑性が下がる。

 

 

ただ、著者の本業である音環境コンサルタントにまつわる話は面白い。

  • 隣の席が近いから声が聞こえるという店のBGMをジャズ・ピアノにすることで、人の声をピアノの音でかき消す。
  • 飲食店に適した音楽は「ボサノヴァ」と「ジャズ」で、調性が曖昧で音量の変化が少なく声のメッセージ性が強くないから適している。
  • テンポの速い曲流せば時間を早く感じるので長居する客が減る。
  • BGMの音量が大きければ客の話し声も大きくなり、小さくすれば客の話声も小さくなる。

 

こういったBGM一つで店の雰囲気が変わったり、客の行動が変わったりする話は面白いのだが、どうしてもクラシックのときの論調が後を引いて信用できない。

説得力があればなんとでもなるのは小説の世界だけにとどめておいてほしいものだ。

 

 

心を動かす音の心理学 ― 行動を支配する音楽の力

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音の世界の心理学

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