サラダバーで結納

本当によくあるブログ。作品の感想や思ったことを書いているブログ。

「ブラックホールで死んでみる」

タイトルにつられて購入した。

内容は「宇宙科学エッセイ」といった感じのもの。

ブラックホールで死んでみる―タイソン博士の説き語り宇宙論

ブラックホールで死んでみる―タイソン博士の説き語り宇宙論

 

 宇宙と関係があることがらについてこれでもかと解説しているので範囲はかなり広い。

目次をみてもらうとそれがわかるだろう。

  • 第1部 知識とは何か―宇宙について何を知ることができるのかを見極めることの難しさ
  • 第2部 自然についての知識―宇宙の構成要素を見出す試み
  • 第3部 自然のあり方とやり口―問いかける精神に対して自然はどのように自らの姿を現すか
  • 第4部 生命の意味―どうして今われわれが存在するのかを理解する その試みと成果
  • 第5部 宇宙がよからぬ状態になると―宇宙がわれわれを殺そうとするさまざまな方法
  • 第6部 科学と文化―宇宙に関する発見と、それに対する人々の反応の齟齬
  • 第7部 科学と神―知識の体系どうしが衝突するとき

部は全部で7つだが、章は全部で42にもなるので、扱っている範囲はやっぱり広い。

 

 

この本について書く前に個人的に思っていることを言っておかねばならない。

こういうエッセイを読んだ時に個人的に感じたいものは「へ~」というような感嘆であり、そういうものは初めて知ったことによって感じられたりするものなのだ。

一言で言えば 知らないから感動する ということだ。

なら、もし本に書いてある内容について知っていたらどう思うだろうか。

「あ~それ知ってるわ~」としか思わないだろう。

 

そして私にとってこの本は「あ~それ知ってるわ~」としか思わなかった本である。

今まで830冊以上の本を読んできたが、中でも一番多いジャンルは科学系だ。

だから、この本に書いてあることはほぼ知っていることばかりだったのだ。

中には初めて知ったこともあるが、それは細かい部分ばかりだった。

 

ヘリウムの話で知らなかったのは、太陽の化学元素スペクトルを分析したらまだ地球上で見つかっていない固有のスペクトルを発見し、かなり後になってから地球上でも発見するに至ったその元素の名前が「ヘリウム」だった。

地球以外の場所で最初に発見された唯一の元素がヘリウムだったとのことで、これは知らなかった。

だから、これについては「へ~」と思ったのは確かだが、これは雑学の部分だろう。

なんというか、本質とは離れたところにあって「へ~」とは思っても感動が薄いのだ。

 

この本に書いてある主張に「そのとおり!」と同意することが何度もあったし、細かいところで知らない話はあったから、いい本だと素直に思う。

でも、目当てだった「ブラックホールで死んでみる」話も予想通りであって、自分の知識を再確認しただったのだ。

 

松岡正剛が多読術という本で読書のことを「無知から未知へ」と移行する行為だといった。

本を読むことによって「何も知らない状態」から「未だ知らない状態」に移行するという主張だ。

私にとって「ブラックホールで死んでみる」という本は、知っていることばかりだったので無知状態から未知状態へ移行する本ではなかった。

 

もう一度いうが「ブラックホールで死んでみる」はいい本である。

ただ、私には感動が薄かった、ただそれだけのことである。

 

 

多読術 (ちくまプリマー新書)

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センス・オブ・ワンダー

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