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サラダバーで結納

本当によくあるブログ。作品の感想や思ったことを書いているブログ。

「闘う!ウィルス・バスターズ」

ウィルスってやつは数日で人を殺すこともあれば、生きている間ずっと体に居続けたり、ときに人間を進化させたりと、敵なのか味方なのかよくわからないやつである。

そんなウィルスを研究している人たちに焦点を当てたのがこの本である。

 

闘う! ウイルス・バスターズ 最先端医学からの挑戦 (朝日新書)

闘う! ウイルス・バスターズ 最先端医学からの挑戦 (朝日新書)

 

時にウィルス研究者はCIAに訪問される。

というのも、バイオテロを警戒しているからウィルスの取り扱いに関しては、ものすごく厳重であるのだ。

アメリカでウィルス研究をするというのは、そういうものなのだろう。

もちろんアメリカだけではなく中国も厳重である。

水虫の有無までチェックされ、監視カメラで常に行動を監視される徹底ぶりだ。

 

そんな話から始まったこの本。

ウィルスというものが恐れられている現状がよくわかる。

 

そして話は2009年に起こった新型インフルエンザによるパンデミックのことへ。

そのとき、ウィルス研究者たちがとった行動の数々がその場に立ち会った人によって書かれているので、大変だった様がよくわかる。

4月28日に豚由来の新型インフルエンザのウィルスが届いた。

まずは何が何でもウィルス自体の数を増やさなければ実験もできないのですぐに増殖を開始。

次に動物実験にはいる。

マウスで実験し、フェレットでも実験した。

鼻でよく増殖するのがインフルエンザだが、新型インフルエンザは肺などでも増殖することがわかった。

 

病気に対抗するための薬が効くかどうかだが、ちゃんとタミフルがきいた。

ミニブタでも実験し、サルでも実験した。

なんだかんだで合計4000個のサンプルをつくり、それを研究員総出で1週間ですべて解析した。

とにかく論文を発表しなければならないため、とにかく実験をし続ける。

飲まず食わず、トイレにも行かず、朝から晩まで働き続ける。

そして、最初の論文を6月3日に「ネイチャー」に投稿したのだという。

ただ一回ですぐに雑誌にのせられることはないので、追加実験をその後も行い、3度目の論文投稿を行ったのが7月5日で、7月13日に電子版で論文が発表されたのだった。

 

新型インフルエンザでパニックになっていたあの頃、52名もの研究者が寝ずに実験し続けていた。

研究者自身これほどの人数でひとつの仕事をすることはもうないだろうといっている。

それほどまでに急がなければならなかったのだ。

 

 

 

インフルエンザの話が終わったあとは、個々のウィルス研究者たちの話になる。

人工的にインフルエンザウィルスを合成する新しいリバース・ジェネティクス法の開発の話。

ウィスル研究者になった理由のインタビューなどなど。

ウィスル研究者達の姿が見えてくるだろう。

 

破壊する創造者――ウイルスがヒトを進化させた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)