サラダバーで結納

本当によくあるブログ。作品の感想や思ったことを書いているブログ。

「一日一生」 

もう未来のことを考えだすと漠然とした不安に襲われるので、もう一日一生と思って生きることにした。

そんな時に後押しが欲しくなるのが人間の性というもの。

だから読んだ本が「一日一生」である。

一日一生 (朝日新書)

一日一生 (朝日新書)

 

 著者は千日回峰行というものを2回達成したどえらい坊さんである。

千日回峰行というのは、往復48kmの山道を毎日歩くという修行である。

といっても365日歩き続けるわけではなく、5月3日から9月22日まで歩き続ける。

これを9年かけて達成するのが千日回峰行だ。

標高差1300メートルの山を毎日登り降りするのだ。

熱がでようが下痢だろうが関係なく続けなければならない。

それを人生で2回行ったのだから、どえらい坊さんというほかない。

本人は「他にやることがなかったから」という理由で2回行ったという。

 

 

一日一生という本は、この坊さんの人生が書かれていて、何をやって何を感じ、何を思ったのかということが書かれている。

一日一生に関する話題はほとんどない。

なので、私の目的からすると肩透かしをくらった本であったが、読んだことで何かしら感じるものはあったと思う。

 

とくに記憶に残ったのは「常行三昧」という修行が終わった後の話である。

常行三昧というのは90日間寝ずにお堂の中を念仏を唱えながらぐるぐる歩き続けるという修行だ。

正確にいうと一日20時間以上歩き続け、一日2時間だけ仮眠が許される修行だ。

 

この修行が終わったあと、畳に寝転がって寝てしまって起きた時に「こんなことしていられないんだ」といって修行の続きをしようとしてしまったとき、目の前に大きな木の壁があって囲まれてしまってどこを見ても逃げられそうにない。

じっと目の前の壁を見ているうちに冷静になってそれが「天井」であることに気がつく。

90日間歩き続けていたものだから目の前に見えるものはすべて壁に見えてしまうのだ。

だから、天井を壁と思い込んだのだ。

慣れというものが感覚を狂わせる。

そこに脳の不思議を感じたのだ。

だから、この話は記憶に残った。

結局どんな本読んでも印象に残るのは「不思議」であるかどうかということらしい。

 

 

続・一日一生 (朝日新書)

続・一日一生 (朝日新書)

 

 

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