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サラダバーで結納

本当によくあるブログ。作品の感想や思ったことを書いているブログ。

野崎まど「know」 とてつもない新たな知識を手に入れる話

小説

ユビキタスってのは便利なんだがいまいち広まらない。

すべてのものに情報タグをつけて、脳みその中に入れた装置がそいつを読み取ってくれれば「調べる」なんて作業は必要ない。

「know」にはそれを実現した装置「電子葉」がでてくる。

know (ハヤカワ文庫JA)

know (ハヤカワ文庫JA)

 

 6歳になると人間は脳の中に「電子葉」という装置を埋め込む。

こいつが頭のなかに入っていれば、そこら中から情報が舞い込んでくる。

パーソナルな情報だけじゃなく何もかもが入ってくる。

 

この「電子葉」を創りだした天才は、ある日量子コンピュータの研究中にその装置を盗んで消える。

その天才が何をしたかったのかといえば、すべてを知りたかった。

「全知」がほしかったのだ。

そのために天才は、電子葉とは比べ物にならないほどの情報処理が可能な「量子葉」をこっそり創りだした。

そして、その量子葉を埋め込まれた女子中学生は、ありとあらゆることを計算で導き出していた。

相手の心を読むことも計算で、何万発もの銃弾の飛んでくる軌道もすべて計算した。

何もかもを計算した。

そんな彼女にも知りたいことがある。

それを知るための4日間がこの小説の話である。

 

 

 

ここまでの説明には一切主人公のことを書いていない。

天才も女子中学生も主人公ではない。

なぜなら、天才の考える事や量子葉が入れられた女子中学生の考える事は理解できないからだ。

彼らと読者の間を埋める存在として主人公がいる。

だから常に主人公は置いてけぼりなのだ。

読者と同じように置いてけぼり。

だが、ラストで主人公は女子中学生の意図を見抜く。

とんでもない目的を見抜くのだ。

そして、世界は新たな知識をひとつ手に入れるのだ。

人生観がひっくり返るような知識を。

 

 

2 (メディアワークス文庫)

2 (メディアワークス文庫)